Cloud Connector が、何らかの原因により不正な状態となる場合があり、環境によっては早急な対応が必要となります。

これらの問題が発生する原因としては、Cloud Connector のアップグレードが発生契機となる場合が多い傾向にあります。

ソフトウェアの更新や様々な理由により、Cloud Connector は Maintenanceモード と呼ばれる状態に遷移し、
アップグレードが行われますが、このとき Maintenanceモード に遷移できるコネクターは一度に一台のみです。

これにより、アップグレード中も、その他のコネクターがサービス要求を処理することが可能です。

場合によっては、Cloud Connector のアップデートが失敗し、Maintenanceモードから復帰できない場合があります。
このような場合には Cloud Connector は、その後のアップグレード処理を行うことが出来ない状態になります。

その結果、最終的にコネクターは Outdatedモード と呼ばれる状態に遷移し、サービス要求の処理を行うことが出来なくなります。

また、アップグレードが失敗するとCloud管理コンソールにエラーが表示され、通知が行われます。




継続的な可用性を確保して負荷を管理するために、各リソースの場所に複数のCloud Connectorをインストールします。
各リソースの場所に少なくとも2つのCloud Connectorを使用することを推奨しています。

Cloud Connector は 重要な役割を果たすコンポーネントの１つであり、Cloud Connector の停止は、サービス停止につながります。

そのため、サービス停止の業務影響への大きさに応じて、Connector の数は2つよりも多く準備することをご検討ください。 

※Cloud Connectorが2つの場合、1台の状況と比べ、可用性が高まります。  しかしながら前述のように2台中、1台の
Cloud Connector でアップグレードが正常に完了しなかった場合、もう1台の Cloud Connector のアップグレードは行われません。

そのため、アップグレードが完了しなかった Cloud Connector が次回の更新が行われるタイミングまでに、正常にアップグレードが
完了しなかった場合には、再度、残りの1台の Cloud Connector のアップグレードが行われない状態となります。

この場合、最初の更新を含めて２回の更新が行われていない状態となり、2台のCloud Connector は Outdated モード となるため、
全ての Cloud Connector はサービス要求の処理を行うことが出来なくなります。

Cloud Connector が3台の場合には、1台のアップグレードが失敗した場合でも、残りの2台のうちの1台のアップグレードが試行されます。

そのアップグレードが成功する場合には、残りの1台のアップグレードも試行される形となるため、
全ての Cloud Connector が Outdatedモード となってサービス停止となる状況が回避されます。

Cloud Connector が不正な状態となっていると考えられる場合 (アップグレードが失敗している場合、または Cloud Connector の 影響により、
その他の問題が発生していると考えられる場合)には、以下の対応を実施し、事象の改善有無を確認します。


1. アンチウイルスソフト、監視・管理系のソフトにより、Cloud Connector の正常なアップグレードが妨げられている場合があります。
関連が疑われるソフトウェアを停止、削除し、事象の改善有無を確認します。

2. 設定されているGPOの影響により、Cloud Connector の正常なアップグレードが妨げられている場合があります。
一時的にデフォルトのGPOを適用し、事象の改善有無を確認します。

3. その他の原因により、予期せぬエラーが発生している場合があります。

Cloud Connector の再起動を行い、事象の改善有無を確認します。
再起動後も事象が改善しない場合には、テクニカルサポートに連絡をし、Cloud Connector の台数や、
問題の発生状況を伝えた上、テクニカルサポートの指示に従って、Cloud Connector の再インストールを実施します。

※ 再インストールを行う場合には、事前にスナップショット等でバックアップを取得し、Citrix Cloudポータル
(https://cloud.com) 上で、リソースロケーションから Connector を削除し、Connector のアンインストールを実施後、
再起動し、再度リソースロケーションに Connector を追加後、新規インストールを実施します。