この文書では、Receiver for Linux を使用しているクライアント端末でセッションを複数のモニターに表示する方法について説明しています。
Instructions
前提条件
- セッションを複数台のモニターに表示するには、セッションの起動前にこの文書の 設定方法 の内容にそって設定を行います。
- セッションの起動後に接続しているモニターの台数を変更することはサポートされません。
- セッションの起動後にモニター表示(拡張、複製、片方のみに表示する、など)を変更することはサポートされません 。
- セッションの起動後に接続しているモニターの台数、あるいはモニター表示を変更した場合は、描画が正常に行われない可能性があります。その場合はセッションを一度終了し、新しいセッションを起動します。
設定方法
全画面モードのセッションは、すべてのモニターの表示領域全体に表示されます。また、コマンドラインオプションとして-spanを使用することもできます。 これにより全画面セッションを複数モニターにまたがって表示できます。
重要:-spanは、シームレスセッションや標準のウィンドウセッション、またそれらが混在するセッションには適用されません。
-spanオプションは、以下のように指定します。
-span [h][o][a|[,[,,]]]
ここでh を指定すると、モニターの一覧がstdoutに出力されます。 また、この値のみを指定した場合、モニター一覧の出力後にwficaが終了します。
ここでo を指定すると、セッションウィンドウのリダイレクト属性がoverride-redirectになります。
注意:この値の使用は推奨されません。 これは、非協調性のウィンドウマネージャーで使用するための最後の手段です。 セッションウィンドウはウィンドウマネージャーで非表示となり、アイコンもなく、再スタックできません。 セッションを終了することによってのみウィンドウを削除できます。
ここでa を指定すると、すべてのモニターを使用してセッションが表示されます。
-spanオプションの残りの値は、使用するモニターの番号として処理されます。 特定のモニターを使用する場合は単一の値()を指定します。また、表示領域の左上と右下のモニターを指定(,)したり、上端、下端、左端、および右端のモニターを指定(,,,)したりできます。
ここでo を指定しない場合、wficaコマンドでは、_NET_FULLSCREEN_MONITORSメッセージによりウィンドウマネージャーから適切なウィンドウレイアウトが取得されます(サポートされる場合)。 それ以外の場合は、サイズおよび位置に関するヒントを使用して必要なレイアウトを要求します。
ウィンドウマネージャーがこのクライアントメッセージをサポートするかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
xprop -root | grep _NET_WM_FULLSCREEN_MONITORS
出力がない場合、サポートされません。 サポートされないウィンドウマネージャーでは、ウィンドウリダイレクトの上書き(override-redirect)が必要な場合があります。 override-redirectウィンドウをセットアップするには、 -span oを使用します。
コマンドラインからセッションを複数のモニターにまたがって実行するには
1. コマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します。
/opt/Citrix/ICAClient/wfica -span h
ユーザーデバイスに現在接続しているモニターの番号の一覧がstdoutに出力され、wficaが終了します。
2. これらのモニターの番号をメモしておきます。
3. コマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します。
/opt/Citrix/ICAClient/wfica -span [w[,x[,y,z]]]
ここでw、x、y、およびzは、手順1でメモしたモニターの番号です。特定のモニターを使用する場合は単一の値(w)を指定します。また、表示領域の左上と右下のモニターを指定(w,x)したり、上端、下端、左端、および右端のモニターを指定(w,x,y,z)したりできます。
重要:selfserviceを起動したりWebブラウザーでWeb interfaceに接続したりする前に、WFICA_OPTS変数を定義しておく必要があります。 これを行うには、プロファイルファイル(通常は、$HOME/.bash_profileまたは$HOME/.profile)を編集して、WFICA_OPTS変数を定義する行を追加します。 次に例を示します。
export WFICA_OPTS="-span a"
この変更は、XenAppおよびXenDesktopセッションの両方に適用されます。
selfserviceまたはstorebrowseをすでに開始している場合は、新しい環境変数を適用するために開始したプロセスを削除する必要があります。 次のコマンドで削除します:
killall AuthManagerDaemon ServiceRecord storebrowse